■第8回Kフォーラム

情報科学技術とReality
開催日:平成20年8月7日(木)〜9日(土)
会場:ホテルアソシア高山リゾート


《 開催趣旨 》
 物の存在、数の存在、記号の存在、命題の真偽、推論の真偽、文の意味、状況の意味、行為の正当性等々、これらは全て情報科学の係ることがらであり、科学における推論、技術による操作が行われるときは、これらのことがらの奥底には事実、現実、真実、無矛盾、無誤謬、合目的といった広い意味での、我々の存在自身を支えるRealityが約束されており、そのことが追及されているように思われます。
 Realityの中には、例えば整数の存在のように神が与えた恒真、不変とみなされるものもありますが、一般には、これは社会、文化に強く依存し、時代相の中には、今の世相のように、価値観の多様化、あるいはゆらぎによって、Realityの喪失が疑われるときもあります。さらには、近未来においては、技術革新により「超現実」的なコンピュータやアンドロイドの出現も予想されております。このような先行きの見え難い時代を前向きにとらえて、情報科学技術はいまこそ何をなすべきかを論じたいと思います。



プログラム
(敬称略)
8月7日(木)
〔1〕はじめに
1 14:10
「God Made the Integers」
世話人代表 福村 晃夫(名古屋大学、中京大学名誉教授)
〔2〕記号と人工言語
2 14:20
「知能と言語−人類はいかに言語を手に入れたか?」
大須賀 節雄(東京大学 名誉教授)
3

15:20

「リアリティと情報システムの構築」
田村 浩一郎(中京大学情報理工学部情報システム工学科 教授)
 

16:20

休 憩
〔3〕自然言語
4

16:30

「自然言語処理の現状についての一考察」
中川 裕志(東京大学情報基盤センター 教授)
5 17:30 「依存構造から文脈自由文法の自動抽出」
田中 穂積(中京大学情報理工学部情報知能学科 教授)
 

18:30

討 論
  19:00 夕食後、適時談話会

8月8日(金)
〔4〕コンピュテーション
6 9:00
「コンピュテーション」
今井 正治(大阪大学大学院情報科学研究科情報システム専攻 教授)
〔5〕人工知能
7 10:00
「広域知能とその構成要素: 適応インタフェース、動的コンテンツ」
沼尾 正行(大阪大学産業科学研究所 教授)
8 11:00 「人工知能と集合知」
志村 正道(武蔵工業大学環境情報学部情報メディア学科 教授)
 

12:00

討 論
[6]ロボティクス
9 13:30 「ロボット・サイエンスとReality」
辻 三郎(大阪大学、和歌山大学 名誉教授)
10 14:30 「アンドロイドサイエンス-人間らしさから人間らしい存在感へ-」
石黒 浩(大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻 教授)
  15:30 休 憩
[7]身体性
11 15:40 「技術の身体化」
長谷川 純一(中京大学情報理工学部情報知能学科 教授)
[8]e-社会基盤
12 16:40 「計算論的ソシアルメカニズムデザイン」
伊藤 孝行(名古屋工業大学大学院工学研究科産業戦略工学専攻 准教授)
  17:40 討 論
  18:15 夕食後、適時談話会

8月9日(土)
[9]ハンディキャップのインターフェイス
13 9:00
「障害者の動作補助システムと運動スキルの情報表現」
宇野 洋二(名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻 教授)
[10]まとめ
14 10:00
「情報科学技術とリアルワールド」
稲垣 康善(豊橋技術科学大学 理事・副学長、名古屋大学 名誉教授)
  11:30

昼食後・解散