■第11回Kフォーラム

「人工知能研究 −JSAI25年の歩み」
開催日:平成23年8月4日(木)〜6日(土)
会場:ホテルアソシア高山リゾート


《 開催趣旨 》
 Kフォーラムの前身DKフォーラムは、平成5年6月「21世紀技術の夢−人工知能」と題する記念講演会でスタートした。この講演会は発足して8年目を迎えた人工知能学会に企画、出演をお願いしたものである。爾来18年を経て世の中はすざまじく様変わりをした。無論インターネットによるネット社会の出現である。ネットを覆う情報雲海から析出される大規模データベースの上で、瞬時、瞬時にどれだけの量の計算が消費されていることか。いま情報端末に接して知性なり感性なりを味わうことがあれば、それは人間でなければAIが醸し出したものである。もしAIがネット上でさらに豊富な知識を集積することができて、推論パワーをさらに強力に、柔軟に、多能にすることができれば、人は知の頂点に今一歩近づく機会を得るかもしれない。知の頂点とは全知全能の理想の場所であり、あらゆる個の知悉と、あまねく事柄の理解と、時空からの脱却が行われる場所である。これが前掲の「21世紀技術の夢」であったかは定かでないが、単なる幻想で終わるものではないだろう。知的なコンピュータプログラムを作る興味から始まったAIの研究は、これからどちらの方向へ向かうのだろうか。今回のKフォーラムは、人工知能学会設立25年を期に、学会運営の現役、OBを交えて語り合うことをその趣旨とする。



プログラム
(敬称略)
8月4日(木)
14:00 フォーラム開会
はじめに−世話人代表 挨拶
1 14:00
世話人代表 福村 晃夫(名古屋大学・中京大学 名誉教授)
〔1章〕ひらめきを探し求めて
2 14:25
「人工知能とひらめき〜ひらめきを求めて〜」
志村 正道(東京工業大学・武蔵工業大学 名誉教授)
3

15:25

「人工知能研究はどこへ向かうのか」
堀 浩一(東京大学大学院工学系研究科 教授)
〔2章〕知識との闘い
4

16:25

「思考の分析−人工知能研究に望むこと―」
大須賀 節雄(東京大学 名誉教授)

8月5日(金)
〔2章〕知識との闘い(つづき)
5 9:00
「一般市民参画型科学の知識情報基盤」
橋田 浩一(産業技術総合研究所社会知能技術研究ラボ 研究ラボ長)
6 10:00 「オントロジーの作り方・使い方・見せ方」
山口 高平(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授)
〔3章〕繋り合う知能
11:00
「言葉と文法・意味・知識・文脈」
辻井 潤一(マイクロソフトリサーチ・アジア 主席研究員・東京大学 名誉教授)
14:00 「心の通う人工知能?」
西田 豊明(京都大学大学院情報学研究科 教授)
9 15:00 「興味のモデリングと多視点映像視聴インタフェース」
間瀬 健二(名古屋大学大学院情報科学研究科 教授)
〔4章〕身体・環境と知能
10 16:00 「身体と環境から創発し発達する知能」
國吉 康夫(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)

8月6日(土)
〔4章〕身体・環境と知能(つづき)
11 9:00
「からだとことばの共創の様相の探求」
諏訪 正樹(慶應義塾大学環境情報学部 教授)
〔終章〕今後の展開
  10:00

「Ambient Intelligence and Smart Environment」
中島 秀之(はこだて未来大学 学長)